沿革

 中小企業者に対する火災共済、中小企業共済事業は中小企業等協同組合法(以下「中協法」といいます。)に基づく共済事業であり、経済的・社会的に弱い立場にある中小企業者が火災などの不慮の災害や病気・ケガなどの災いに対する自衛措置として、お互いに協力し合い、組織の力を持って解決を図りたいという自らの強い要望に沿って創設された制度です。

 すなわち、昭和27年8月、北海道に事業協同組合による福利厚生事業の一環として、火災共済を目的とした協同組合が初めて誕生し、以来、各府県にこの種の協同組合が相次いで設立されました。昭和29年3月、共済協同組合ならびに関係団体が初めて一堂に会し、共済関係協同組合連絡協議会が開かれました。これが全国組織化の契機となり、同年8月に全国共済商工協同組合連合会(以下「全済連」といいます。)が設立されました。

 全済連がまず重点目標として手がけた問題は、共済協同組合の法制化でした。当時、共済協同組合は各府県に陸続と誕生をみ、またその発展ぶりは目覚ましいものがありましたので、全済連は会員組合の協力を得て、かねてから叫ばれていた共済協同組合の法制化を早急に実現するための猛運動を展開しました。

 その結果、昭和32年11月、第27回国会において中協法の一部改正により火災共済制度の法制化が実現いたしました。その後、共済関係の事業協同組合は火災共済協同組合へ一斉に組織を変更しましたが、再共済制度の必要性から、これら火災共済協同組合により再共済機関としての全日本火災共済協同組合連合会(以下「日火連」といいます。)が設立されました。

 日火連は、会員の行っている火災共済事業の再共済事業を専門に行っておりましたが、農協法、保険業法を基準とした非常に厳しい規制体系となっている改正中協法が平成19年4月に施行され、火災共済協同組合は、事業経営の健全性・透明性をより強く求められることとなり、会員および日火連の経営の健全性と経営基盤の一層の強化を図るため、会員および日火連が共済契約の当事者となる共同元受事業(共済契約に基づきお支払いする共済金等の債務については、日火連がその全てを負担します。)を平成20年3月から実施いたしました。なお、この共同元受事業の実施に伴い、日火連の再共済事業は平成20年2月末日で廃止しております。

 ところで、火災共済協同組合では火災共済事業以外の共済事業を併せ行うことができないことから、中小企業者の要請に基づく生命傷害共済事業が実施できるよう、中協法の改正を求め行政庁等に働きかけを行いましたが、昭和48年3月、諸般の事情からこの法案の国会提出が見送られたため、中小企業庁は同年4月、長官通達(「生命傷害共済事業を行なう事業協同組合の設立等指導について」)によって、火災共済協同組合と表裏一体の組織となる新たな共済協同組合を設立することで、火災共済協同組合における生命傷害共済事業の追加新設という懸案事項の解決を図りました。

 都道府県火災共済協同組合は、この指導通達に基づき、同年4月から中小企業共済協同組合を相次いで設立し、生命傷害共済事業を実施、昭和50年には自動車事故見舞金共済事業(現・自動車事故費用共済事業)が実施事業に加えられました。その後、多様化・複雑化、高度化する中小企業者のニーズに的確に対応するため、休業補償見舞金共済(現・休業補償共済)をはじめとする新共済種目を順次開発・実施し、現在では9種目の共済事業を行っております。

 なお、昭和49年7月にはこれら中小企業共済協同組合が事業を行うことによって負う共済責任の再共済機関として、全国中小企業共済協同組合連合会(共済連)を設立、現在では再共済事業のほかに4種目の元受共済事業を実施しております。