有限会社 向後商店
代表取締役 向後 一夫 氏

2009年11月17日
- ◆経営者としてのポリシーはどのようなことでしょうか?
- いつの世もそうですが、特にこの頃のように激しく動く時代では、古い世代と新しい世代との感覚の違いが大きく、なかなか一致点が探しにくのですが、弊社は自然が育てた材料を厳選吟味して、わざわさ古風な作り方で若い人たちにも向く「味」・「香」を守り、手作りの優しさを大切に一枚一枚丹精込めて焼き上げています。
- ◆「もの」づくりのこだわりは?
- せんべいの材料は「米」と「醤油」だけです。いわば2つだけなので逆に絶対ごまかしは利かない。材料は「本物」でなければならないのです。幸いなことに、「米」は昔から懇意にさせていただいているお米屋さんが近くにおられるのと、「醤油」は千葉は全国でも名の知れた醤油の産地ですし、自然品の材料で作り上げた商品をお客様に提供しています。
- ◆「座右の銘」は?
- 以前、日頃より常にご指導をいただいていた元衆議院議員の故臼井総一先生から教えを請うた、孫文先生の哲理である「民の意に沿いて国興り、民の意に背いて国滅ぶ」を座右の銘にしています。
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向後氏は有限会社向後商店の代表取締役であると同時に千葉市米菓組合の組合長で、かつては千葉市消防団団長を務めたことがあり、火災の怖さを身をもって経験しているため、普段から共済事業の普及に対して深いご理解・ご協力をいただいております。現在は千葉県組合の副理事長として我々火災共済・中小企業共済の組織とは深い関わりがあります。
- ◆最後に共済事業に対して一言お願いします。
- 共済とは35年以上のお付き合いをさせていただいていますが、共済には人間味というか、とにかくあたたかみを感じます。それは役職員全員が共済の理念である「相互扶助」の精神の基に共に扶け合う気持ちを常に持ち、それぞれ皆さんが組合員と親身になって接しているからだと思います。
以前、罹災にあって困っている組合員に共済の職員が親身になってアドバイスをしてくれて、精神的にも経済的にも大いに助かったという話を聞いたことがあります。これこそが「あなたの安心を守る共済」なのだと思います。これからもこの気持ちを忘れずに持ち続けて欲しいと願っています。
そして要望として組合員の範囲をひろげるべきだと思います。現在の中小企業者や生計を一にする親族だけではなく、中小企業の従業員やその従業員の家族までも組合員に含めるべきです。日本の企業数の約9割、そして労働者数の約7割を占めているのが中小企業なのですから、中小企業の一員である従業員やその家族を員外利用とするのではなく、組合員としてその範囲を広げることで大いに共済制度の普及・発展につながるのではないかと思います。
~インタビューを終えて~
千葉市議会議長まで務められたと伺って、多少緊張しながらインタビューに臨んだのですが、向後氏は大変穏和で、逆にこちらへの気配りも心得た方でした。また数多くの肩書をお持ちなのは、人に頼まれると、まず何か動いてみよう、何とかしてあげようという「徳」を持っておられるんだなとインタビュー中のお話からも沸々と感じました。
あらゆる中小企業者と、そして我々「火災共済・中小企業共済」の心強い味方にお会いできたといううれしさがこみあげた日でした。
取材日:2009年10月13日