株式会社スガイ 代表取締役 須貝 享平 氏

2008年10月9日
- ◆会社経営者あるいは業界人としての立場・視点から帽子卸業界のおかれている現状はいかがでしょうか?
- 現在流通している帽子は素材・デザイン等、非常に多いのですが、国内生産は年々少なくなっており、海外生産の商品が多く、7割が私どもの業界とは異なる他業種より流通されております。帽子はどんな素材からでも造れます。どんな型に形成することも出来ます。用途も非常に多種多様です。その為低コストで海外製品を大量生産が可能な会社が国内外を問わず、どんどん参入してくる状況を生み出しています。販売先も百貨店・量販店・小売店・専門店等でしたが、最近は通販・インターネット販売もされており、全体の販売数量は増えておりますが、昔はお宮参り、七五三、入学式には学生帽などの行事にも結構な引き合いがあったんですよ。
- ◆その状況にどのようにご対応されるお考えですか?
- 実は業界の流通している帽子のマーケットは、女性向け:7割、男性向け:2割、子供向け:1割なのです。そして女性向け7割の内、さらに7割がいわゆるミセスの方々が私どもの主たるお客様という現実があり、この顧客層を無視することは出来ません。最新の流行をリサーチすることももちろん大切ですが、その一方で流行に流されず、既存のお客様のニーズに的確にお答えすることも忘れてはいけない私どもの努めだと思います。
- ◆若い世代の帽子への関心についてはどうでしょうか?
- 若い人たちは「順応性」と「多様性」という両面を持っていると思います。すなわちこちらから提供したものを意外にすんなりと受けいれてくれる部分と「はやり」「流行」といわれる意外な物に飛びついていく部分ですね。
- ぜひ、協同組合 東京帽子協会のホームページ「東京帽子倶楽部(http://www.boushi.or.jp/)」をご覧ください。「帽子の好きそうなタレント」を毎年選出する「Hat GrandPrix」などの若い世代が興味津々の企画や「東京の帽子百二十年史」などの歴史著、帽子に関するQ&A等、とても内容の濃いホームページです。
- ◆最後に共済事業に対して一言お願いします。
- 須貝氏は株式会社スガイの代表取締役であると同時に東京都組合代理所の「協同組合 東京帽子協会」の理事長として普段から共済事業に深いご理解・ご協力をいただき、我々火災共済・中小企業共済の組織とは深い関わりがあります。
- 共済の契約募集は組合担当者の人望、組合担当者とのコミュニケーションが非常に重要、大切であることに尽きますね。そこがまず成績ありきの保険とは全く違う、同じ目線で一緒に仕事ができる「共済」らしい良さでしょう。「よし、この人のためなら自分が動かなきゃ、動いてやろう」という気になってしまう、そんな頼りがいのある担当者が共済事業・組合組織に一人でも多く育ってほしいと思います。
~インタビューを終えて~
ご自分で2代目社長とおっしゃられた須貝氏でしたが、インタビュー中に述べられた事業・業界への意欲、見識なども、あたかも創業者と思われるほどでした。また、共済事業・組合組織についても熱く語っていただき、共済の熱い「応援団」という印象を強く受けました。今後も須貝氏のような我々の理解者、応援してくれる方々を大事にすると共に、「中小企業者のための火災共済・中小企業共済」を市場に普及、推進していかなければならないと再認識させられた一日でした。
取材日:2008年9月17日